2007年05月11日

書く技術→考える技術→構造化する技術

 デキる人の書く技術 / 構成は「結・承・転・提」(日経ビジネスオンライン)

■結ぶ
  最初に結論を述べる。書き出しの1文で趣旨を伝えるのがベスト。
  (例) 「A社との契約の件は、不成立になりました」
■承ける
  2番目に、結論に至った背景や経緯を書く。
  (例) 「不成立の理由は、B社と既に契約を結んでおり、両立は難しいからという、先方の都合です」
■転じる
  「承」で述べた背景や経緯についてさらに詳しく掘り下げる。
  (例) 「B社となぜ契約を結んだかというと、特に○○が充実しており、納得のいくものであったから、とのことです」
■提案する
  最後に、当面の対策について書く。
  (例) 「○○の点について、当社の顧客にとって過不足がないかを再検討し、さらに営業活動を強化したいと考えます」


 文書コンサルタントを名乗りながらミントピラミッドを知らないはずもないし、あえてスタンダードを外したのだとは思いますが、でも結を支えるのが承と転というのは納得がいきません。

 私の思考回路が「論理思考のスタンダード」に冒されているだけかも知れませんが、1つしか承がないと、他の承がないか、何か隠していないか自然と気になります。
 上記の例でも「既にB社と契約を結んでいた」が結だったとして、ではスピードがあればよかったのではないか?両立や乗換の提案はできないのか?といった他の承が気になります。

 しかも承と転の役割分担、機能分担が不明瞭です。
 承では時間順序が原因としつつ、転では「○○が決定打」といっており、深掘りになっていません。これは別の理由です。(これこそもう1つの承では?)
 時間順序を深堀りするなら、自社のアプローチと B 社のアプローチを時間軸で比較して論じるべきです。
 また逆に深堀りした結果が「○○が決定打」であるならば、その元となる承は「比較検討の結果負けた」であるはずです。
 これは事例が悪いというより、1つの事実をあえて承と転のセクションに分割すること自体に問題があるように感じます。

 最後に提案でまとめること自体はよいとは思うのですが、論ずべきポイントがあやしいので的外れな提案になっている危険性があります。


 他にもこの記事の例から。アンケートの注意書きの添削後の例なのですが;
  • お答えいただきたい方は山田様を含めた20〜30代の女性3人
  • 社員の家族の方でも可
  • お尋ねしたい質問と回答欄は同封のアンケート用紙にあります
  • パート1の問1〜5、パート2の問1〜3には必ずご回答ください
  • 年齢を必ずご記入下さい(名前は未記入でも可)
  • 締め切りは、12月1日(金)です。
 「困ったら箇条書き」は手が止まってしまった場合の処方としては賛成ですが、基本的に避けるべきだと私は思います。箇条書きは単に「粒をそろえて並べた」だけであり、整頓したに過ぎないのに整理した気になってしまうからです。
 平坦な構成になるので、構造化に意識が向かず、思考が浅くなりがちなんですよね。

 箇条書きにしたら、
 ・各項目にラベルをつけられないか?
 ・グルーピングできないか?
 といった点を考えるべきです。

 添削し直します。
 アンケート自体と回答方法とが混在していますね。読み手にとって考慮する順番も深さも違うので分離しましょう。

【アンケート回答方法】
  • 対象:山田様を含む20〜30代の女性3人(社員、家族どちらでも構いません)
  • 内容:同封のアンケート用紙を参照下さい
  • 期限:12月1日(金)です
【ご回答にあたって】
  • パート1の問1〜5、パート2の問1〜3には必ずご回答下さい
  • 名前は未記入でも構いませんが、年齢を必ずご記入下さい


 こちらの方が圧倒的に読みやすいですよね。
posted by 市井賢児 at 2007年05月11日 13:58
| Comment(0) | TrackBack(0) | ドキュメンテーション


MBA 市井賢児のメモ

 「市井賢児」をググると、関連検索(同じキーワードで関連するものを検索候補として提案する機能)の結果は「MBA」だけなんですね…。
posted by 市井賢児 at 2007年05月11日 12:09
| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記


2007年05月07日

学ぶなら、楽しんで。

 あー、すごい当たり前だけどなんとなく忘れていた感覚。
 Think! という季刊ビジネス誌の今春号の特集が「キャリアアップ勉強法」で、読者へ向けたメッセージとしてボストンコンサルティンググループ(BCG)日本代表の御立尚資さんの寄稿から。
 「これを知らないと世の中の動きから取り残されてしまう」という強迫観念から勉強を始めていないか。(中略)それよりも「よくわからないけど何か面白いことが起きているみたいだ」と思う方がよっぽどいい。基本書でおおまかな知識を得たら、たとえば、ネットで「セカンドライフ」(3Dの仮想ゲーム)をやってみる。これは実際の話だが、BCGの社内で Web2.0 について議論したところ、2回目のミーティングでは、50代半ばのシニアコンサルタントが「セカンドライフ」で自分自身のアバター(キャラクター)をつくっていて、それをプロジェクタで見せながら Web2.0 の実体験についてコメントしていた。

 机の上で、あるいは通勤電車の中で本を読んでも楽しくない。楽しくないから身が入らない、効率が上がらない。なら実体験の中で楽しさやすごさを「体感」した方がよっぽど身につく。
 子供の頃はサッカーをやるにしてもすぐに試合形式で遊ぼうとしたのに、なぜか最近は走り込みやパス練習だけを黙々と続けるような勉強方法ばっかり取っていました。

 よくないなぁ。

 エンジニアなので、ものを作り、動かすシンプルな喜びを忘れちゃいけないし、定期的に自分の心に陽の光を当てないと。

Think! 2007年春号 No.21
Think! 2007年春号 No.21
posted with amazlet on 07.05.07
東洋経済新報社
東洋経済新報社 (2007/04/20)
売り上げランキング: 277
おすすめ度の平均: 5.0
5 まっとうなことが書かれています。お勧めです。

posted by 市井賢児 at 2007年05月07日 22:47
| Comment(0) | TrackBack(0) | プロフェッショナルの条件


2007年05月06日

フィードバックのコツ:即座に行動を、感情と愛をもって

 一分間マネージャという本と、私が今所属している会社のガイドラインをもとに。
 フィードバックとは誉めたり叱ったり、良い点悪い点を伝えることです。
 1 分間マネージャでは「フィードバックは王者の朝食」と書かれていました。フィードバックが普段から色々な場所で自然と行われているチームは、間違いなく強くなっていきます。


 まず何より、失敗を見つけようとしない。成功を探す。
 過ちを見つけたら正すべきですが、基本姿勢として誉められる点を探すべきです。
 人間は誉められた方が気分がいいですし、気分がよければそれだけで生産性が上がります。知識労働者においてはモチベーションというのは非常に重要です。

 即座にフィードバックする
 リーダーやマネージャーが犯しがちなミスは、メンバーを長いこと放置し、年次評価などのタイミングでそれまでの駄目な点をぶちまけ、バッサリとやってしまうことです。
 不慣れな人間は、徐々にしか学ぶことはできません。ですから徐々に徐々に、軌道修正してあげる必要があります。
 シャワーの温度を適温にしようとして苦労したことはありませんか?あれが大変なのは操作から実際に温度が変わるまでにタイムラグがあるからです。
 人の成長も同じ。年に一回、「冷たすぎる!」と一気に温水の蛇口をひねったり、逆に冷水をひねったりしたってうまくいきません。温度を見ながら、ひねってから変化までにタイムラグがあることを考えながら徐々に修正していくしかありません。
 どういうわけか、人は上に立つと「下は自分が期待していることを正確に理解している」「下は私の期待に沿った行動をとって当たり前」と思いこみがちですが、努力もなしに期待している内容が伝わっていることはまずあり得ません(その際には是非 S.M.A.R.T. な目標設定を一緒にやりましょう)。

 フィードバックすべき行動を見たらすぐにフィードバックするのが最も効果的です。

 行動をフィードバックする
 フィードバックの対象は、人格ではなく行動でなければいけません。一般的な表現、主観的な表現もいけません。具体的かつ客観的でなければいけません。そしてもちろん、イメージや噂話にもとづいてはいけません。
 例えば「君はプログラムの品質に気を配っていない」は駄目で、「君はウォークスルー前にセルフチェックをしなかった」であるべきです。どうしても一般的な「感覚」で語ってしまいがちですが、それを指摘されてもどう修正していったらいいか、相手はわかりません。

 感情をこめる
 誉める時は自分がどんなに気分がいいか、逆に失敗を指摘する時はどんなに残念に思っているかを伝えます。
 1 分間マネージャでは数秒の沈黙を使って相手に感じる時間を与えるようアドバイスしています。
 人の感情というのは深く響き、残ります。指摘は理性的に行うべきですが、相手により強く効果を残すためには感情に訴えかけるのが効果的です。

 愛情を伝える
 誉めた時はもちろん、負のフィードバックであっても相手を大事に思っていること、期待していることを伝えます。
 最近の日本人はこういうコミュニケーションを苦手ですし、新人などは引いてしまうかも知れません。
 ですから直接的な言葉以外の方法でもいいでしょう。ですが、行動について触れた後は人格を肯定することが絶対に必要です。



 何よりも一番重要なのは、周りのメンバーの成長を心から願うことだと思います。


 
1分間マネジャー―何を示し、どう褒め、どう叱るか!
K.ブランチャード S.ジョンソン 小林 薫
ダイヤモンド社 (1983/01)
売り上げランキング: 22332
おすすめ度の平均: 4.5
4 もっとも簡単なマネジメント本
5 課題の共有・目標管理
5 有能な管理者になるためには?
posted by 市井賢児 at 2007年05月06日 22:16
| Comment(0) | TrackBack(0) | ビジネススキル


目標設定のコツ:領域外をSMARTに落とす

 今回はより良い目標設定のコツを。
 個人的に立てる目標でもいいですが、どちらかというと他人と合意を取る必要のある、会社の目標管理で設定する目標で真価を発揮します。

 まずは目標設定するテーマですが、その目標の領域の外から持ってくるとよいです。
 例えば個人の目標であっても社訓や会社のミッションステートメントの要素を網羅するようなテーマを並べたり、年次目標であっても中期経営計画からテーマを拾ったりします。

 設定する目標の対象や期間が決まっていると何となくその枠内で無難に選びがちですが、より大きなアクションへの貢献は常に意識すべきであり、特定の目標もそれと整合性を取っているべきだからです。

 次にそのテーマごとに、S.M.A.R.T. を意識して具体化します。
Specific ― 具体的で十分に詳しく、解釈のブレがないこと。「何をどれだけ」が明確であること。
Measurable ― 数値で測定できること。感覚で評価されないこと。量ならば個数、回数、金額などを具体値で。質ならば欠品率、ライン当たりバグ数、ユーザー満足度 4.5 pt 以上など数値化すること。
Achievable ― 達成可能な範囲で挑戦的であること。非現実的でないこと。
Relevant ― 重要であること。単なるアクティビティやルーチンワークではないこと。個人や組織の優先事項に沿っていること。
Time-bound ― 達成すべき期間や納期が明確であること。

 Web で調べると、この S.M.A.R.T. にはいくつものバリエーションがあるようです。
 ですがそのココロは基本的に同じで、
 ・誰が見ても達成の度合いを評価/判断できるように
 です。

 理想郷は各人が胸に秘めてさえいれば各人の原動力となり、それだけで価値を持ちますが、目標は違います。組織からの評価にしろ、自己評価にしろ、目標は後日必ず評価にさらされます。
 その評価が有用なものとなるかどうかは、目標が適切に設定されたか否かによって左右されてしまいます。

 例えば私はあるアウトソーシングのプロジェクトで「オフショア化の視点からすべての成果物に関して提案をする」という目標を立てました。
 「中国関連の経験を活かしプロジェクトに貢献する」なんていう目標も設定しがちですが、これでは何を基準に測ったらいいかわかりません。
 成果物という測定単位を明確にすることで、何割達成したか否かが客観的に示すことができます。

 一方で、このような目標設定だと「質はともかく、すべての成果物にクチを出せばよい」とも取れてしまいます。そこは理解したうえでの目標設定でした。提案の質を測定するのは困難ですし、「課題指摘」ではなく「提案」なので意味のない茶々入れはカウントされません。
 このようなバランス取りは毎回必要にはなりますが、S.M.A.R.T.な目標を目指してバランス調整すること自体が、仕事やプロジェクトの意味を見つめ直す良い機会にもなります。
posted by 市井賢児 at 2007年05月06日 05:29
| Comment(0) | TrackBack(0) | ビジネススキル


2007年05月02日

目的と成果を問う。賢く働く。

 生産性の向上は、より賢く働くことでしか達成できない。ところが経済学者や技術者は、生産性向上の鍵として、より賢く働くことに主役の座を与えようとしない。経済学者は資本を主役とし、技術者は技術を主役とする。
 知識労働の生産性の向上を図る場合にまず問うべきは、「何が目的か。何を実現しようとしているか。なぜそれを行うか」である。手っ取り早く、しかも、おそらくもっとも効果的に知識労働の生産性を向上させる方法は、仕事を定義し直すことである。特に、行う必要のない仕事をやめることである。

 ピータードラッカーの「プロフェッショナルの条件」からの引用です。

 作業と仕事の間に距離があるように、仕事と成果の間にも距離があります。
 「本当にこれって役立つの?誰に?いつ?どのくらい?」という問いは常に意識しておきたいものです。

 会議が槍玉にあがることが多いですが、日々目にするすべてのアクティビティに関して改めて問いかけてみると新たな発見が得られることがあります。さすがに丸ごと無駄ということは滅多にありませんが、でも「この人がやる必要はない」「毎日やる必要はない。週次で十分」「自動アラートスクリプト書いて任せよう」といったことはボロボロ出てきます。またプロジェクトが進行するにつれ、状況が変わったりスキルが定着することで見直すべきアクティビティも出てくるでしょう。
 SE の成果と貢献は設計書とソースコードに集約されるはずです。
 ならば、極論ではありますが、設計書とソースコードの量と質のいずれにも貢献しないすべての作業は一度は「止めたとして困るのか?」との議論の遡上に上げるべきです。

 また必要な作業でも、その目的に照らして、本当に付加価値を生んでいるか、付帯作業はないかと問うことができます。
 コーディングは必要な作業です。でも例えば関連する資料の印刷は?何か疑問が浮かんだ時の解決は?設計書の入手、最新であることの確認は?標準やルールの参照や従っていることの保証は?と探してみれば色々と気づける点が出てくるはずです(Eclipse をはじめ IDE がかなりの部分をカバーしてくれるようになりましたねー)。

 技術力が私たちの依って立つべき場所であることは間違いありませんが、仕事上の課題の解決の手段として「賢く働く」というのも常に検討すべきですね。
posted by 市井賢児 at 2007年05月02日 15:20
| Comment(0) | TrackBack(0) | プロフェッショナルの条件


2007年05月01日

リアルスピードハックス-仕事のスピードを一ヶ月で3倍にする技術

 最近 Lifehack という、昔でいう仕事術のようなものが流行りですね。
 Lifehack はストレスフリーが1つのキーのようで、私も結構好きです。

 で、そんな Lifehack 本の中にシゴタノ!というブログを書いている大橋さんによる「スピードハックス - 仕事のスピードをいきなり3倍にする技術」という本があります。
 勉強会で著者自ら「いきなり3倍ってのは編集がつけた。目指すけど無茶だよね」なんておっしゃってました。

 3倍のスピードというのはかなり魅力的です。(シャア的な響きを除いて、ね)
 いきなりは無理かも知れませんが、資産管理でよく言われる複利効果を持ち出せば、3倍という夢のような数字を意外と現実的な期間で(計算上)実現可能なことに気づきました。

 例えば、毎日 6% ずつスピードアップしていけば、20 営業日、一ヶ月でトータル3倍に達します。
 昨日1時間かかった作業を、今日4〜5分短縮するだけです。
 継続していくのはツラそうですが、案外無理でもないかな、と思いませんか?
 集中力を上げたりするだけでなく、邪魔を防止したりツールを導入してもいいんです。

 6% は小さく見えるけど実際には無理だよ!というのなら、1% でも構いません。
 これだと3倍に至るのに 110 営業日、それでも半年かかりません。次回の年次評価には余裕で間に合うでしょう。
 昨日1時間かかった作業を、36秒だけ短縮すればいい計算です。

 もちろんコレは嘘が入ってますけどね。
 作業改善の効果というのは複利ではなく積み上げ式(36秒の短縮を110回やったら36×110=3960秒=66分)ってのが実際でしょうし、それすらも間断なく継続して続けていくのは相当の苦労が伴うはずです。
 また、そもそも我々の仕事は量だけでなく質で測られる面も多いので、スピードが3倍になったからといってそれがすなわち成果が3倍になるわけではないです。

 とはいえ、こういった計算で「できるかも」感をもって改善にあたるのは悪いことではないでしょう。
 それに複利で簡単に3倍にはならなくとも、トヨタなどの実例を見ても日々のカイゼンを積み上げること自体は長期的な強みになりえるはずです。
posted by 市井賢児 at 2007年05月01日 17:02
| Comment(0) | TrackBack(1) | ビジネススキル


×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。