2005年02月26日

SE は組織を超越する

SE は組織を超越した存在です。ボランティアが NPO を超越した存在であるように。
高度のスキルはそれ自体が生産手段であり、組織が集約的に持つ資本や物的資源から独立して価値を創出しうるからです。
SE に話題を限れば、組織にとっていかに働いてもらうかは、もはや労働の問題ではなく人的資源の問題です。

大きなコトを言っていますが、ドラッカーの受け売りです。
(もちろん、ドラッカーが論じていたのは SE だけでなく Knowledge worker 全般でしたけど)
ご存知の方はひと目見てわかったと思います。良いですよね、ドラッカー。

さて、「未来のいつか」より「人材のプール」のトラックバックです。
ドラッカーから引いたように、私は人材の流動化は Knowledge worker に関してはもはや必然だと思います。
ですから「業界全体の利益のためには個別企業は流動化を促進すべきだ論」というよりも、「個別企業の生き残りのためには流動化した環境に適応すべきだ論」に近いです。
そうでなければ個別企業の中で、適切な人材ポートフォリオを維持できなくなるだろうと考えます。

TB 元では
「でも、よく考えてみるとトヨタの社員の人材流動性は高いのだろうか?松下の社員の人材流動性は高いのだろうか?よくわからないけど人材流動性は高そうには見えない。だけども企業としてはめちゃくちゃ競争力がある。なぜだろう。なぞだ。」
とのことですが、私の考えでの説明を試みるなら、
「事業のコンピタンス強化を効率的に行った結果、人材市場で量と質の両面で、高レベルかつ安定した需給一致状態になった」
ということになります。

なんかメンドクサイ言い回しになっちゃいましたね。
例えばトヨタの強みは製造のマネジメントと販売のノウハウにあります。
その強みへの集中の一貫として、人材市場から製造マネジメントと販売ノウハウに優れた社員を調達する。
強みが増した結果、製造マネジメントと販売ノウハウを持つ人材にとって「いい仕事」はトヨタにあることになる。
製造マネジメントと販売ノウハウを持つ人材がトヨタから出ても、より活躍できる場がない。
他社は製造マネジメントと販売ノウハウの面で優秀な人材の調達が難しくなり、この方面でトヨタと戦うのがより難しくなる。
…という好循環を維持した状態、ってコトです。

これは市場の流動性以上に、企業が魅力的な仕事を提供できれば、優秀な社員の流出はないということでもあります。


なんか「業界発展のために」とか「個別企業の戦略」とかの話題になっちゃいましたが、今度はプロフェッショナルを志すイチ SE として、人材市場の流動化のネタを書きたいです。
posted by 市井賢児 at 2005年02月26日 14:40
| Comment(0) | TrackBack(1) | プロフェッショナルの条件


この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのTrackBack URL
http://blog.seesaa.jp/tb/2150960

ドラッカーに学ぶ 定年制撤廃論
Excerpt:  日本経済新聞朝刊の名物企画「私の履歴書」で、今朝までの約1ヶ月間、ピーター・ドラッカー氏が登場していました。  「現代の企業経営の神様」のような方です。世界の経営者のみならず、ビジネスマンにもファ..
Weblog: 成果主義を自分の味方につける法
Tracked: 2005-03-01 08:30
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。