2005年03月12日

上流工程、下流工程って止めませんか。

情報システム業界では上流工程、下流工程という言葉があります。
これが無駄に確執や偏見を生んでいるように思えてなりません。
特にゲンバを知らない就職活動中の学生や(戦略コンサルにしろオペレータにしろ)狭い範囲でしか仕事をしない業界人にとっては、変な勘違いの元になります。

そこで上流工程、下流工程の代わりに前工程、後工程ってのはどうでしょうか。

「前工程は神様、後工程はお客様」
トヨタで使われている言葉だそうです。

前工程は神様なのだから、信頼して組み立て部品の受け入れ検査はしない。
後工程はお客様なのだから、完璧な出荷検査をして不良品を出さない。

高い品質を保ちつつ、余計な検査や無駄な手戻りを減らすための知恵です。

このスローガンを見たとき、情報システム業界でも使えるな、と感じました。

後工程はお客様。
使ってもらうことになる自分のアウトプットは完璧にすべきだし、不備や漏れがあるなんて失礼なことがあってはいけない。

前工程は神様。
彼らからのインプットは完璧なので、信じて自らの仕事に集中するべし。
何かあったも、それは天災だと思って自分のベストをつくす。

もちろん、不備があっても手戻りをしてはいけない、などと言いたいわけではありませんよ。
必要なケンカは大いにすべきです。

1つ強調したいのは(なんか同じことを何度も書いている気がしますが)、上下という言葉が内向きの言葉だということです。作り手の中だけで考えるからそうなってしまうのです。

前後という言葉は、それぞれの工程がお客様に向かって一連の流れとなった時の言葉です。

するとそれぞれの工程の責任の意味あいが大きく変わってきませんか?

地道にですが、この言葉を流行らせようと画策中です。
経済産業省のお墨付きをもらって情報処理技術者試験なんかで使われる用語になったら最高だなぁ。
posted by 市井賢児 at 2005年03月12日 03:01
| Comment(2) | TrackBack(1) | SI業界


この記事へのコメント
ウォータフォールの弊害でしょうか上から下というのが固定概念化していますよね。
SLCP-JCF98体系でもV字で上下になってますし。

「前工程は神様、後工程はお客様」は良い考え型ですが、利害関係が一致しない同士、

例えば、一番前の工程のユーザが後工程の開発ベンダをお客様と思うか・・・思うわけありません。

ユーザが「完璧なアウトプット」を出すのか・・・あり得ません。

市井氏はどこからが「前工程」と思いますか?
Posted by 鵺 at 2005年03月12日 09:50
なるほど、自分としては心構え論として考えていたので、明確な線引きはしていなかったです。
業界人の意識が変わればいいと、ただそれだけだったので。

ですが、経済産業省のお墨付きを狙うなら必要ですな。

うーむ、俺目的を重視するなら、SI に関わるあらゆる作業の「インプットが作られる場所」はすべて前工程ですね。
そうなると、あれば戦略策定、なければ業務設計が最も前に位置しますかね。
これらの工程ではインプットは市場動向とかユーザーとの対話であり、それが誰かのアウトプットであることはないですから。
逆にこの段階では、それら「あたかもアウトプット」をいかに疑い、ファクトとロジックでいかに確認するか、が重要です。


モノづくり視点から「 V 字を辿るのに上から下へ、下から上へではなく、左から右へと考える」というが前工程後工程という言葉の着眼点です。
でも V-model のレイヤー間はどう言ったらいいんでしょうね。 V 字が置かれる空間の上下には「ビジネス寄り技術寄り」という意味合いもあります。
ある作業の位置づけを把握するのには、この視点も必要になるのですが…やっぱり上下か。
ネットワークの OSI 基本参照モデルだと、上位層下位層って言ってますし。

上下って言葉を卑屈なまでに避けることもないと思いますが、これも何かいい代案がないか思案中です。
Posted by 市井賢児 at 2005年03月12日 12:03
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのTrackBack URL
http://blog.seesaa.jp/tb/2373482

言えてる!前工程、後工程。
Excerpt: 「上流工程、下流工程って止めませんか」へのトラックバック。 言えてます。下流工程なんて失礼です。(^^;; 前工程、後工程。いい言葉です。後工程はお客様です。 私もこの言葉を流行らすプロジェクトに、少..
Weblog: ヒビコレカイゼン
Tracked: 2005-03-31 00:18
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。