2005年05月02日

CIO による IT のコントロール

前のエントリの通り、 IT 自体に戦略的価値はなくなりました。

IT 化では他社との差別化は図れません。
普遍化し、他社も簡単に追随できるようになっているからです。
持続的な競争優位に結びつけるには IT だけでは不十分で、他社に追随されるまでの間に、規模やブランドなど簡単には模倣できない差別化要因に展開しておかなければなりません。

しかし、既にコモディティ化した他の技術と IT とでは決定的に違う点があります。
IT 自体がビジネスプロセスやビジネスモデルを体現している点です。
情報はもちろん、4大経営資源のどれもが、IT を通じて管理されています。
いわば他の技術は企業にとって道具ですが、IT は神経系です。

IT 自体には戦略的価値はなくとも、何らかの戦略を実行に移す際、IT 抜きにして実施することは非現実的ですし、そうである以上、いかなる戦略も IT による制限を受けます。

例えば、メーカーが SCM を導入することによって差別化を図るのはもはや困難です。(=SCM 自体に戦略的価値はありません)
一方、正確な需要予測を可能にするため、独自の販社を起てることで消費者までの距離を短く、太くしようというアクションは十分な差別化要因になりますし、戦略的です。

では SCM を抜きにして、この戦略的施策が実行可能でしょうか?
また既に SCM が稼動していたとしたら、独自販社という大きな業務インパクトをそのシステムは吸収しきれるでしょうか?

こういった戦略への影響は、電気やガスにはない、IT 独自のものです。
今後も CIO は経営戦略上の立場から IT を適切にコントロールすべきだと、私は考えます。
Nicholas G. Carr が示した4つのガイドラインにも賛成ですが、もう一歩踏み込んだ管理をしなければ、まだ不十分でしょう。
posted by 市井賢児 at 2005年05月02日 16:28
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