70 年代、IBM が System R に実装した RDB 言語は Structured English QUEry Language、SEQUEL です。SEQUEL はスペルのママ、シークェルと読むものでしょう。
ところが SEQUEL は他社の登録商標であったため、その後(本来 SEQUEL2 となるはずだったものに)SQL、Structured Query Language との名が付けられました。S の後に伸ばすのも、Q と L の間に 「ウェ」の音を補うのも無理があるので、これはエスキューエルと読むのが自然です。そして 80 年代以降、この SQL が、ANSI や ISO、JIS において標準となっていきます。
すると、SEQUEL と SQL の間には、
・IBM の System R の実装依存か、ポータブルか
・標準化されていないか、いるか
といった違いがあるわけです。
現在、私たちが SQL と呼んでいるものは後者の方なので、やはりエスキューエルと読むのが正しいように思えます。
用語辞典の類には両方の読み方が併記してあったり、モノによってはシークェルが本流でシロートさんはエスキューエルと読む、なんて解説をしているところもありました。
所詮は読み方なので、そう読む人が多ければ「そう読みます」でもいいんですが、シークェルという読みを説明しているところでも、こういった経緯に触れていないのには違和感を感じました。