2008年01月13日

考えるなら Why? 聞くなら How?

 日経ビジネス Associe のリレー連載「私の始末書」、2008.1.1号の西濃運輸社長 田口義隆さんの回より。強調は市井。
数字を分析し直してみると、目標を達成できている店とできていない店があることが分かりました。最初、私は達成できていない営業所に「なぜやれなかったのか」と聞いていました。すると彼らはあれやこれやと釈明してきました。ある時、達成できていた営業所に「どうやったの?」と聞いたところ、「こうやったらできた」とノウハウを教えてもらえたのです。このとき、私はやっと、現場を動かすには Why? ではなくて、How? と質問しなければうまくいかないということを知りました。


 問題解決のための基本態度は、Why? をしつこく繰り返すことで思考を促進することですが、それを他人に対してやると逆効果になるということですね。
 自分を動かす時と、距離がある他人を動かす時とではとるべき手段が違う、と。

 確かに、上から「なぜできない?」と聞かれると現場は萎縮し、できない理由を外に求めることで責任を回避しようとしてしまいます。(それならまだマシで、未成熟なチームなら「すみません」とだけ言ってコトが終わるのを待ち、何も考えようとしないでしょう)
 だからまずは上手くいっている所を探し、そこからノウハウを得る。

 これには利点が3つあって、1つには現場の主体性が出てくること。
 影響されるより、影響を与える側にいた方が人は気分がいいものです。上からの影響に晒されていると感じるよりも、自分たちのアイディアや取り組みが他の営業所に影響を与えていると感じた方が気分がよくなり、それがモチベーションになって本人たちを動かします。
 もう1つは、こうやって出てくる現場のアイディアは、上が会議室で考えて出せるようなものとはまったく異質だということ。現場でしか見えていない問題点や改善余地に手を加えられるのは、やはり現場だけ。
 そして最後の利点は、改善が根付くこと。「こうやれ」では指示が1つ増えただけで、極端な話、やりすごすべきことが1つ増えるだけで終わるかも知れない。けれど自発的にやって効果が出てきてそれが認められたことは、滅多なことがない限り続きます。

 日本語には上手い表現があって、「箸の上げ下げ」を毎回指示していてはかえってマナーが身につかない。ましてや「おもてなし」や「食事を用意してくれた人への感謝」といった、その先にあるものにたどり着くはずもない。
 他人に対しては How? によって行動を促進する。行動を起こすためには Why? を考える必要があるのだから、相手が勝手に考えるはず。


 さらに一歩進んで、逆に現場から「こうしてくれ」とリクエストが上がってくるようになるとベストですね。
 「なぜできないのか」の説明をして、それを取り除くようマネジメント層に依頼を上げて来るような状態。

 このレベルまで来ると、今度は現場が走りすぎないようにコントロールするという、新たな、でもより嬉しいステージに来たということでしょう。
posted by 市井賢児 at 2008年01月13日 14:14
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