清水 久三子
東洋経済新報社 (2007/11/23)
売り上げランキング: 11943
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実際そうなんですけど(著者はIBCSの方なので)、最近の学習法本の中ではコンサルタント向けな印象の本でした。
何がそう感じさせるかというと、学びによる成果へのこだわり。
「はじめに」でも触れられていますが、「いつかに備えて学ぶ」のではなく「プロジェクトでパフォーマンスを出すために学ぶ」ことになるコンサルタントは、通常とは違った学び方をします。いわゆるキャッチアップというやつ。
ひたすら成果、プロジェクトでの貢献や付加価値を睨み、その最短距離を走る感覚。学びのリターンを得るまでのスピードへの切迫感。
そんなものが伝わってきました。
本書でも学びの方法としてフレームワーク力に触れられていますが、本書自身も学びのプロセスのフレームワークを提示しています。
そのフレームワークに落とし込んでの、それぞれのプロセスの位置づけが言葉の端々に現われていたのが良かったです。
フレームワーク自体は本書を参照していただくとして、
- 黙って一人で身につけた知識やスキルでは、みんなにオープンにして叩き上げられたスキルや知識に絶対に叶わないからです。
- 「できる」だけでは価値を生みません。「適切なタイミングでできる」ことが求められます。
- 「具体の理解(=やったことがある)」まででは、人とは差別化が図れません。「誰に頼んでも同じ」レベルでしかないからです。この「体系の理解」まで学びを進めて初めて「この仕事は彼(彼女)に任せよう」という域に達せるのです。
- このレベルだと、チェーン店のアルバイトにはなれます。しかし、他の店でも同じレシピがあれば、同等の料理が食べられるので、あなたにバリューはありません。
どうでしょう、こういった言葉が学びの成果への焦燥感を煽りませんか。
SE からコンサルタントに移って、一番違いを感じたのはこの焦燥感やプレッシャー。
最近ダレ気味だったのですが、初心を思い出し、久々に背筋が伸びる思いをしました。